お悩みカフェ❼ 子どもの学びやすさに少し手を伸ばすこと
〈Q〉小学校教諭・20代の悩み
私は通常学級の担任です。特別支援教育の素晴らしい実践をされている人を見ると、「理想的だけれど、自分の学級では難しい」と距離を感じてしまうことがあります。また、特別支援学級や専門の先生の仕事だと、どこかで線を引いてしまう自分もいます。この考え方とどう向き合えばいいのでしょうか。
〈A〉子どもの学びやすさに少し手を伸ばすこと
その「線を引いちゃう感じ」、実は多くの担任が一度は通る道なんですよね。
大事なのは、特別支援教育の考え方って、最初から「特別な技術」を身につけなくても大丈夫、ということです。実は通常学級ですでにやっている工夫の中にも、特別支援教育の視点と重なるものはたくさんあります。
例えば──
・授業の流れを、板書や掲示で先に見せておく
・指示を「口頭だけ」にせず、短い言葉や図でも伝える
・作業の区切りを「ここまで」「次はこれ」と見える形にする
こうした工夫は、発達に特性のある子だけでなく、「先生の話を聞き逃しやすい子」や「見通しが立たないと、どうしても不安になる子」など、いろんな子をそっと助けてくれています。
環境面でも、できることはありますよね。掲示物を少し整理して教室を落ち着いた雰囲気にしてみる。座席の配置を工夫して「ここなら安心できる」と児童が感じられる場所をつくる。困ったときに頼れる「合図」や「ルール」を、みんなで共有しておく。どれも、特別支援学級じゃなくてもできます。
そもそも「特別支援」を、「特別な子に、特別なことをする支援」 だと捉えると、どうしても距離が生まれてしまいます。でも実際は、一人一人の学びやすさに、少し手を伸ばすこと──それが「特別支援教育」の本質なのだと思います。
全部を一気に変えなくても大丈夫です。「このクラスには、どんな子がいるかな」「一つだけ整えるとしたら、どこだろう」──そんなふうに考える時間そのものが、子どもたちを見る解像度を少しだけ高めることが、もう「特別支援教育」の入り口に立っている証拠なんだと思います。
