お悩みカフェ❸ 校長にもメンテナンスが必要
〈Q〉小学校校長・50代の悩み
校長として、いつも明るく、余裕のある存在でいたいと思っています。でも現実には、責任も重く、孤独を感じることも多い。「校長はこうあるべき」という自分自身の理想像に縛られ、うまくいかず、機嫌が悪くなってしまう自分に、さらに落ち込むこともあります。迷うことが多い中、何を大切にしていけばいいでしょうか。
〈A〉校長にもメンテナンスが必要
たぶん多くの校長先生が、心のどこかで「それ、分かるなあ」とうなずくお悩みだと思います。
校長という立場は孤独になりがちです。本音を言える相手も限られていて、「自分が踏ん張らなきゃ」と一人で抱え込んでしまう。でも、常に余裕があって理想的でいられる校長なんて、現実にはなかなかいません。
結論から言うと、「理想の校長像に近づこう」と気を張り続けるよりも、〝機嫌が崩れにくい仕組み〟をつくることが近道です。子どもが安心して学べる学校をつくるには、まず教職員が安心して働けることが大切で、その空気の起点にいるのが校長です。
だから校長にとっての重要任務は、「常に立派」でい続けることよりも、機嫌が大きく崩れ過ぎない状態を保つことなのだと思います。
ここでいう「機嫌がいい」とは、無理に明るく振る舞うことでも、ずっと前向きでいることでもありません。むしろ、完璧を目指し過ぎないことや、自分を追い詰め過ぎないことが、学校の空気をやわらかくします。
そのために必要なのが、日頃の整備(メンテナンス)です。給油しない車が走り続けられないように、毎日充電しないスマートフォンが動かないように、校長の心にも「元気の給油」や「心の充電」が必要です。
例えば、「睡眠時間が少なくなると自分はイライラしやすい」と分かっているなら、まず睡眠を6時間確保することを最優先にする。「校長が抱えなくていい仕事」は、信頼できる教職員にお願いして、学校全体で回す。こうしてメンテナンスの優先順位を決めていくと、「理想像」と戦うよりも、ずっと現実的に前へ進めます。
校長であるあなたの心が安定し、笑顔が増えるほど、教職員は安心して力を発揮できます。校長のメンテナンスは、決して「わがまま」ではありません。むしろそれは、「学校の土台づくり」そのものだと言えるのではないでしょうか。
